文書作成日:2026/02/05
外貨建ての据置保険金を相続したら

外貨建ての据置保険金は、相続財産としてどのように扱われますか?

Q
今月のご相談

 今年亡くなった父宛てに、保険会社から据置保険金のお知らせが届きました。据置保険金を出金する場合は、父本人の預金口座に支払われる旨が記載されています。

 現在、相続手続きを進めており、父の預金口座はすべて凍結されています。そのため、保険会社の書面に記載されている父の口座で受け取ることができません。見つかった保険証券によると、死亡保険金受取人は母に指定されています。母の口座に変更して出金してもらうことになるのでしょうか? そもそも据置保険金は、相続財産としてどのように扱われるのでしょうか?

 また、米ドル建てのため、為替変動により満期日、父が亡くなった日、現在、では円に換算した金額が異なります。税金を計算する上では、どの為替レートが適用されますか?

【契約内容】
  • 保険種類:米ドル建て養老保険
  • 契約日:2014年4月1日
  • 満期日:2024年3月31日(2024年4月1日〜 満期保険金据置中)
  • 契約者(保険料負担者):父
  • 被保険者:父
  • 満期保険金受取人:父
  • 死亡保険金受取人:母
  • 死亡、満期保険金:200,000米ドル
  • 一時払保険料:175,000米ドル(外貨入金)
  • 相続人:母、私、妹
A-1
ワンポイントアドバイス

 今回のご相談の場合、据置保険金は「保険会社に預けていたお金の払戻し」として、預金と同様に相続人共有の財産として扱われます。相続人の間で誰が受け取るかを決めて、保険会社所定の手続きを行いましょう。税金を計算する上で適用する為替レートについては、詳細解説をご参照ください。

A-2
詳細解説
1.据置保険金の取扱い

 ご相談の契約はすでに満期を過ぎているため、保険契約としては消滅しています。そのため、据え置いていた保険金(以下、据置保険金)は死亡保険金ではなく、「保険会社に預けていたお金の払戻し」として、預金と同様に相続人共有の財産として扱われ、他の相続財産と合算して相続税の対象となります。

 また、死亡保険金ではないため、相続財産計算における死亡保険金の非課税枠「500万円×法定相続人の数」を適用することもできません。

 保険契約は満期日で消滅し、同時に死亡保険金受取人の請求権もなくなります。そのため、据置保険金は相続人の間で誰が受け取るかを決めて、保険会社所定の手続きを行う必要があります。

 なお、満期保険金は、満期時に受け取らず据え置いたとしても、満期日が属する年分の一時所得の対象となります。お父様が一時所得の申告を失念していた場合、必要に応じてお父様に代わり相続人が申告の手続きをとります。

2.税金計算をする際に適用される為替レート

 外貨建て保険を外貨で受け取る際、税金計算上の評価に適用される為替レートは次のとおりです。

(1)準確定申告における所得税(一時所得)計算上の為替レート

  • 一時払保険料:原則として、払込日(保険会社受領日)のTTM(※1)
  • 満期保険金:原則として、支払事由発生日(満期日)のTTM(※1)

(2)相続税申告における為替レート

  • 未請求であった満期保険金相当額:原則として、支払事由発生日(死亡日)のTTB(※3)
  • (※1)TTM:TTS(※2)とTTB(※3)の仲値
  • (※2)TTS:対顧客直物電信売相場
  • (※3)TTB:対顧客直物電信買相場

 保険会社から支払われる金銭であっても、今回のように死亡保険金に該当しない場合がありますので、ご注意ください。
 なお、据置保険金は証拠書類が見つからず、手続きや取扱いが煩雑になるケースもあります。相続に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
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